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会員の趣味・特技

update:2016-10-10 08:48

国田 洋治さん(西区)

                郷土の歴史と農耕民

 退職者の会会報で会員の近況欄を読むと、家庭菜園が趣味と答えている会員の割合が多い。私も家庭菜園と書いて載せたことがある。だが、ここ1、2年は趣味の範疇を超え、「農耕民」に昇格した感がある。と、いうのは借りている畑は自宅から自転車で行ける距離に有り、80坪位の広さの畑を耕運機で耕し、ことある毎に畑に出かけ、野良仕事をしているからである。
 今年は玉ねぎ、ジャガイモ、インゲン、ミニトマト、枝豆、とうきび、大根の収穫があった。政令都市札幌にまだ、農耕ができる空間があると思うと、農作業のきつさも忘れる。それに、畑に出ると4月末に他界した母のやさしい姿に会える気がする。私の脳裏には、雨の日も風の日も休む間もなく荒地と闘い抜いた母の残像が常にあるのだ。
 来年もこの畑を借りられるとは限らない。なぜなら、地主さんが97歳と高齢で入院療養をしているからだ。私が地主さんと初めて会ったのは、ちょうど、2年前のことである。
 私は毎月、自宅マンション近くの病院に通院しているが、ある時、待合室の本棚をふと見ると「土地を愛し、人を愛し」という小冊子が目に入った。私は郷土史に関心あり、是非、直にお話を聞きたいと思い、著者の自宅を訪ねた。著者である地主さんは、その頃は達者で「わしの農地は3反ある。3反というのは農恊組合員の最低条件の広さの土地じゃ。誰が来ても土地は売らん。」と開口一番。私は営業マンと間違えられたらしい。けれど、昨年春にその地主さんから電話があり、「年で耕運機が扱えなくなったので畑を起こしてくれんかの?」、私はチャンス到来と思い、学生の頃、せたな町で農作業の手伝いの経験のある私は実に40年ぶりで耕運機に触り、畑を耕した。
 そして、機会あるごとに地主さんから昔話を聞いた。地主さんは耳が少し遠くいつも一方通行の話だが、地主さんのお父さんは三重県の出身で何とトヨタ自動車の創始者「豊田佐吉さん」と親交があったという。地主さんが少女の頃、豊田氏のお祝い事に名古屋市に招かれ、父親に連れられて参列した事があるという。
 北海道は歴史が浅いという人がいる。確かに為政者に都合のよい歴史は少ないかもしれない。だが、一人ひとり昔話しを聞いて、あれやこれやと想像するのは実に面白い。今、發寒歴史漫歩倶楽部や札幌市生涯学習「歴史班」のボランティアに所属し、微力ながら仲間と活動を続けています。
 
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